タイトル: 共に前へ歩む:ボイコット、禁止、そして共生的な保全をめぐる対話
登場人物:
- アーニャ・シャルマ博士: 動物福祉学者
- デイビッド・チェン氏: 動物の権利活動家
- カームおじさん: マニファ・エレファントキャンプのラオス人ベテラン象使い
設定: ラオス・ルアンパバーンで開催された責任ある観光に関するワークショップでの同じ円卓会議。
(司会者が最後の、総括的な質問を提起する。)
司会者: 本日は多くの論点をカバーしてきました。これが多くの観光客や活動家にとっての究極の問いとなります。「象との直接的な関わりを伴うすべての活動は、禁止またはボイコットされるべきでしょうか?」チェンさん、動物の権利コミュニティの立場はいかがでしょうか?
デイビッド・チェン氏: 動物の権利の観点から言えば、答えは「はい」です。私たちはボイコットや禁止を、搾取のシステムを解体するための必要かつ強力なツールと見なしています。乗り物、水浴び、給餌など、動物が人間の目的のために利用されるあらゆる形態の象の観光は、本質的に搾取的です。その相互作用自体が、どんなに「穏やか」に見えようとも、象の自律性の侵害です。したがって、消費者にとって唯一の倫理的な選択は、参加を拒否し、それによって業界からの財政的支援を引き揚げ、業界に根本的な変革、つまり真のサンクチュアリでの非接触型の観察モデルへの移行を迫ることです。
アーニャ・シャルマ博士: その立場は善意からの懸念に根差していますが、動物福祉の観点からすると、包括的な禁止やボイコットは壊滅的な結果を招きかねません。それらは、活動が行われる実際の状況ではなく、活動のカテゴリーに焦点を当てています。これは、責任を持って管理された相互作用が、刺激や運動を提供することで象の身体的および精神的幸福に積極的に貢献しうるという現実を見落としています。さらに重要なのは、持続可能で資金の潤沢な代替案を提供することなく観光収入をなくすことは、象にとって遥かに悪い福祉の結果につながる可能性があるということです。象が合法・非合法を問わず、より過酷な労働である伐採作業に戻されたり、民間の動物園やサーカスに、しばしば国外に売られたり、最悪の場合、飼い主がもはや彼らを守る余裕がなくなった時に密猟の犠牲になることさえあります。道徳的なパニックではなく、実践的な改革こそが、これらの動物のより良い生活につながるのです。
カームおじさん: (重々しい表情で頷く)アーニャ博士がおっしゃることは、私たちが生きる現実です。ボイコットを求めるこれらの声は、遠くから聞くと単純に聞こえますが、現場では、すべてを洗い流してしまう嵐のような脅威です。私たちにとって、象は共存者であり、親族であり、文化遺産です。すべての相互作用を禁止することは、私たちが何世紀にもわたって彼らと共に生きてきたやり方が間違っていると言うことです。それは、先祖から受け継いだ私たちの知識を無価値なもののように見せます。外国のキャンペーンが観光客に近づかないように言う時、彼らは次に何が起こるかを見ていません。家族や自分の象を養う術を失った象使いの姿を見ていません。生涯の仲間をサーカスに売るか、それよりも悪い選択を迫られる、その不可能な選択を見ていません。象の個体数が少なく、高齢化しているラオスのような国では、これは彼らが私たちの土地から永遠に姿を消すことにつながりかねません。
デイビッド・チェン氏: その困難な結果は否定できませんが、私たちはそれを壊れたシステムの症状と見ています。代替案を創出する責任は、根本的な搾取であると私たちが考えるものを終わらせるよう呼びかけることを活動家がやめることではなく、政府や保全コミュニティにあるべきです。ボイコットは、世界がもはや知覚を持つ存在の商品化を受け入れないという明確な道徳的シグナルです。
アーニャ・シャルマ博士: しかし、そのシグナルは、守ろうとしているまさにその動物を傷つける鈍器となり得ます。これが、私たちの多くが今、**「共生的な保全(convivial conservation)」**と呼ぶかもしれない、異なるモデルを提唱している理由です。これは、マニファ・エレファントキャンプのような場所で私たちが築こうとしているビジョンです。それは、象と人々を分離されるべき問題としてではなく、相互に依存するパートナーとして見ています。それは、優れた訓練と獣医療を通じて福祉を改善すること、象使いたちが有害な代替手段に頼ることなく象の世話ができるように彼らと地域社会の生計を維持すること、そして観光客に、受動的な見世物よりも象の生活の質を優先するキャンプを選ぶよう教育することを意味します。
カームおじさん: はい。パートナーシップです。それは、外部の人々がただ来て、毎日象と共に暮らし、彼らを愛している現場の人々の声を聞かずに条件を指図するのではない、ということです。それは一種の倫理的帝国主義に抵抗することを意味します。
司会者: ということは、単純な「はい」か「いいえ」かの答えから、より協力的で文脈に特化した何かへと移行することを提案されているのですね。
アーニャ・シャルマ博士: その通りです。すべての相互作用をボイコットすることは、現場の現実を無視し、防ごうとしているまさにその苦しみを引き起こすリスクがあります。「相互作用を禁止すべきか?」と問う代わりに、私たちは問うべきです。「象にとって、象使いにとって、そしてより広い生態系にとって、どのようにすれば相互作用をより良くできるのか?」と。
デイビッド・チェン氏: そして、理想的な終着点については意見が異なるかもしれませんが、より良い福祉、透明性、そして虐待的な慣行の終焉を求める声は、私たち全員が同意できることです。観光客からの圧力は、キャンプに改善を強いる上で極めて重要でした。
アーニャ・シャルマ博士: それは事実です。重要なのは、その圧力を建設的な方向に向けることです。ですから、問題はこうなります。「観光客、NGO、科学者、そして地域社会が、長期的で持続可能な解決策について、どのように協力できるのか?」そして、私たちは常に自問しなければなりません。「誰の価値観がこの議論を形成しているのか、そしてその価値観に盲目的に従う時、誰が取り残されるのか?」と。
カームおじさん: 共に働くことです。良い象使いとその象のように。
司会者: 完璧な結びの言葉ですね。とすれば、倫理的な観光とは、背を向けて立ち去ることではない、ということですね。
アーニャ・シャルマ博士: はい。それは、開かれた目と、より深い理解をもって、共に前へ進むことを意味するのです。