ルアンパバーン「朝の托鉢」（サイバット）

ルアンパバーン「朝の托鉢」（サイバット）

僕も「何ごとも体験だから」と思って、まだ暗い早朝の時刻に道ばたに正座し、僧侶たちに餅米ご飯を「差し上げ」てみた。まあ、ほんの真似事のようなものなのだけど、それでも実際にやってみると、そこにある土着のちからみたいなものを、その本物さを、不思議なくらい強く肌身に感じることになった。宗教家はよく「たとえ形だけの真似事でも、実際に続けているとそれはいつか本物になる」たいなことを言うけど、たしかにそういうところはあるかもしれない。（村上春樹「ラオスに一体何があるというんですか？」）

仏教において、托鉢とは、一般仏教徒が僧侶、尼僧、霊能者、その他の衆生に与える尊敬の念のことである。西洋の解釈で推測されるような慈善事業ではありません。それは、スピリチュアルな領域との象徴的なつながりと、世俗社会の前での謙虚さと敬意を示すことに近いものです。托鉢という行為は、人間と僧侶、そして僧侶が象徴するものを結びつけるものです。ブッダはつぎのように述べています。

家人やホームレス、あるいは慈愛（僧侶）は、相互依存の中で共に真のダルマに到達する……。

— Itivuttaka 

「朝の托鉢」サイバットとは

朝の托鉢（ラオス語でサイバット）は、ルアンパバーンの人々にとって生きた仏教の伝統であり、その美しさから主要な観光スポットにもなっています。しかし、観光客がその習慣を知らない場合、不適切な行動で迷惑をかけることがあります。ルアンパバーンの人々にとって大きな意味を持つこの宗教的な慣習に、ぜひ注意を払ってください。

「朝の托鉢」サイバットの文化をどう尊重するか

• 静かに儀式を見守り、自分にとって意味のある場合のみ、敬意をもって供物を捧げましょう。供養を希望しない場合は、朝の托鉢の儀式から適切な距離を置き、礼儀正しく行動してください。僧侶の行列や信者の供養の邪魔にならないようにしましょう。
  
• カメラのフラッシュは、僧侶にとっても一般の人々にとっても非常に邪魔になるので、撮影の際には僧侶の近くに立ちすぎないようにしましょう。
  
• 服装は、肩、胸、足が隠れる程度が良いでしょう。
  
• 僧侶と身体的な接触をしないこと。女性は僧侶に直接近づき、お供え物を渡すことはできません。供物は脇に置いてください。